~ レッドシダーとの出会いであこがれの「シーランチ」のイメージが現実に ~
「建築家インタビュー レッドシダーを活かすデザイン」第4回は、studioA(スタジオ・アー)の諸角敬さんにお話をうかがいました。
10年以上前から、レッドシダーの外壁材やデッキ材を、いろいろな物件で使っていただいています。
物件の写真とともに、レッドシダーを使ったポイントを順にご紹介します。
写真の物件は、レッドシダーをご採用いただくきっかけとなった、「長者ケ崎の家」です。


海岸線から70mしか離れていない立地条件であったため、どのような外壁材が最適かを検討していた諸角さんの目にとまったのは、カリフォルニアでチャールズ・ムーアが手がけた「シーランチ」の写真でした。
潮風にさらされながら築30年を越えても風雨に耐え、新築当時にも増して迫力のあるたたずまいのシーランチを見て、「長者ケ崎の家」の外観のイメージが浮かんだそうです。
そして、木の外壁材を調べるうちに候補にあがったのがレッドシダーサイディングです。
採用のポイントは、●潮風に強い●施工性がよい●比較的安価という点。
さらに、諸角さんがみずから高広木材まで足を運び、レッドシダーを使った社屋を見学されたことから、現在にいたるおつき合いが始まりました。
長者ケ崎の家では、外壁の縦張りにレッドシダーのチャネルサイディング、横張りにべベルサイディングを使用しています。
また、外部のデッキもレッドシダー。ふんだんに使っていただいています。
竣工後10年以上経過していますが、お施主様はオイルステインの再塗装や部分的な補修を行いながら、 大切にお住まいとのこと。
海沿いの地の外壁材としても耐久性の面で問題ないという証明になるような物件です。
次にご紹介するのは、「いすみの家」です。
リビングからつながるデッキに使用しているのもレッドシダー。日差しをよけながらもルーバーから風が通り、開放感あふれる気持ちの良い空間がひろがります。


次の物件は、ルーバーにレッドシダーの1X6をふんだんに使用した「葉山の家」です。
海へと広がる眺望を得るために、西側に大きな開口部をつくり、奥行き1.8mのデッキを配置。
さらにルーバーを隙間をあけて張ることで、夏の西日による暑さ対策としての役割を果たしています。
金属にはないあたたかみがある木製ルーバーは、光をやわらかくさえぎります。


大阪にあるクリニックには、レッドシダーの外壁材をご採用いただきました。
建物の1階はコンクリート、2階は木造という変則的な構造とのことですが、これは諸角さんが検討した結果、最も合理的な方法だったそうです。
1階のコンクリートの上を板張り仕上げにすることで、2階の木造部分との調和をはかっています。
病院特有の無機質な雰囲気を全く感じさせない、落ち着きがありつつも優しいたたずまいです。


最後にご紹介するのは、「黒の宝石」という名前がつけられた住宅です。
木の外壁を検討していたお施主様が直接高広木材に来られ、社屋のイメージを気に入っていただいたことから、諸角さんの設計によりレッドシダーの本実サイディングを使用して建てられました。
縦のルーバーもレッドシダーです。
レッドシダーを使った物件レポートでも、お施主様にうかがったお話をまとめて掲載しておりますので、ぜひごらんください!
→物件レポート Vol.3 「木の外壁への想いをかなえるレッドシダーサイディングの家」
こちらの物件は、2008年神奈川建築コンクールで、奨励賞を受賞したそうです。


それぞれの物件は、同じレッドシダーという素材を使っていながらも、ひとつひとつが異なる魅力を持っています。
諸角さんが雑誌向けに執筆した文章の中に、「敷地に一番あった住宅」という言葉があります。
「このように一つ一つを見ていくと変わったものばかり、変わったことばかりして作られた住宅に見えるのだが、
単に奇をてらうとかではなくそこには深いわけが隠されている。
敷地の性格は千差万別。その敷地に一番あった住宅を建てようとすると、どうしても他の敷地に建っていた住宅をそのままポンと置き換えるようなわけにはいかなくなってしまうのだ。
ぴたりと決まった住宅が完成したとき思わず屋上でビールなど飲みたくなってしまう。」
立地条件や街並みに合わせて柔軟に木材を取り入れているこれらの事例、いかがでしたか?
諸角さんのブログ、「もろずみけい studioAのブログ」もぜひごらんください!
ご協力いただき、ありがとうございました。
建築DATA
- 設 計
- studioA
諸角 敬