PORTFOLIO 建築事例
医院建築と木材
自然の個性に接することが現代の癒やしに
医院建築にレッドシダーを選択した背景とは
■設計者コメント
「地域や社会に貢献したい」「患者さんに安心感を与えたい」などといったドクターの思いを空間やかたちに還元させながら、温かみのある建築であることを心がけています。
木も人間と同様に一本一本に個性があります。山の北側で育った木と、南側で育った木では、木目が違います。斜面で育った木と平地で育った木では、曲がり方や節の付きかたが違います。流通する製品という名で扱われる製材は、どこか、サラリーマンと似ています。サイズと節の量だけで、区別され、一つ一つの顔や性格を見てもらうことはほとんどありません。本当は、節の大小や木目などの個性があるので、それに応じた使い方をすることが必要です。
私は、木材は生き物で、思わぬ動きをするから面白いと思っています。曲がったものはダメということはなく、曲がるのが「木」であり、それが魅力なのです。
戦略的に無理やり個性を作り出そうとしているのが、現代社会です。「木材」のような自然に生まれてくる個性に接するのが何よりの癒しではないでしょうか。
画像提供:アルボス 一級建築士事務所
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設計:関根裕司
PHOTO : 斎部 功